クリーニングの基礎知識

クリーニングと家庭洗濯との違いは何でしょうか。
クリーニングに関する基礎知識を紹介します。

クリーニング店で行っている洗たく方法は大きく、ドライクリーニング、ランドリー、ウェットクリーニング及び特殊クリーニングに分けられます。クリーニング店では、お客様からお預かりした品物の素材や汚れに応じて洗たく方法を選びます。
また、クリーニング店で行っている仕上げ方法も様々あります。品物に応じたアイロンかけなどの仕上げが、クリーニングのプロであるクリーニング店と家庭とで大きく差の出る技術ですので、あわせてご紹介します。

ドライクリーニング

クリーニング店と家庭の洗たく方法で大きく異なるのは「ドライクリーニング」という洗い方法です。家庭で洗たくをするときは「水」を使いますが、水の代わりに石油系溶剤やパークロロエチレンなどの揮発性有機溶剤で品物の汚れを取り除く洗たく方法がドライクリーニングです。
長所として、油性汚れをよく落とす、型くずれや収縮が起きにくい、風合いが変りにくいということが挙げられます。
ドライクリーニングの対象になるのは、スーツやコート、ジャケット、ネクタイなど水洗いできない品物になります。

ランドリー

ランドリーは、家庭の洗たくと同じように「水」を使いますが、大きく違うのは「温水」を使うことです。
ランドリーではワイシャツやシーツなど、水に対する耐久性のある素材の品物について、大型のドラム型専用洗たく機で、温度をかけて、専用洗剤や助剤(アルカリ剤)などを加えて洗います。

ウェットクリーニング

取扱い絵表示に「水洗い×、ドライ可」とドライクリーニングしかできない品物でも汗汚れなどの水溶性汚れがたくさんついている場合があります。
このような場合、ウェットクリーニングという「水」を使う洗たく方法があります。本来水洗いできないものを処理しますので高度な技術を要します。

特殊クリーニング

特殊クリーニングは、毛皮製品、皮革製品、和服やカーペットなど、通常のドライクリーニングやランドリー、ウェットクリーニングでは洗うことのできない品物を対象に行っている洗たく方法です。

仕上げ技術

「仕上げ」がクリーニング店と家庭とは大きな差のでる技術です。
店では洗たく方法と同じように、品物にあわせた仕上げ方法を選択します。例えば、ジャケットの仕上げは人体型の仕上げ機や、専用のアイロン台(馬と称します)を用いて肩やえりなどの細かい部分にアイロンをかけ、立体的に仕上げます。
また、アイロンでの手仕上げでも蒸気(スチーム)やバキュームできる専用のアイロン台などを駆使して、品物のシルエットを立体的に仕上げます。
最近は、このプロの仕上げ技術を重視したウェットクリーニングをすすめるメンズスーツも多くなってきています。